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そして次の言葉は口には出さず頭の中で

-----彼が今もなお存在しているのかを……!!

しかし彼はその言葉の続きが知りたいらしく

「確かめる?何を?」

その問いに頭の中で自分とは別の声が響く……

“言うな!!言えば俺の意志が出る事になるぜ!!”

それはある意味、脅しのようにも聞こえるが今はまだ出る幕ではないと言っているようにも聞こえる……

しかしカイトが口にするかしないかの時に誰かが部屋に入って来た。そう、この屋敷の主人であるハイデル氏本人である。

「待たせたな、サリエル……んっ?その子供は…?」

訪ねて来たサリエルと一緒にいる見た事もない子供。一体子供が何の用なのか?といった顔をしているのかが見て分かる。それを察したのかサリエルも軽く挨拶をして用件をいう

「彼は私の依頼人のカイト・レクノアです。彼があなたの所有したと言われる名家の機械人形を見たいと言っていた者です。見せて頂けますでしょうか?ハイデル氏」

「ふん、探偵業も人を選ばず……だな。まあ金さえもらえれば良いという所か?」

と、いちべつする。彼の口調がいつもこの調子なのは分かっていた。だが依頼人であるカイトが気に触っていないかが気になり少し横目でカイトを見ながら話しを進める

「彼は子供ですが依頼はとても真剣なのです。会わせて頂けませんか?機械人形であるトマを一一一一。」

「トマ……??ああ、そう言えば機械人形の呼び名がそうだったな……」

ふと思い出したように言ってから用件の返答を述べる

「残念だが今はダメだ!会わすわけにはいかん」

「??なぜですか?ここまで来て……約束を……」

「会わす会わさないは俺の勝手だ!今日はダメと言ったらダメなんだ!」

あまりの勝手な言い分に問いつめようとした所、依頼人のカイトが横から

「一つ聞きたいのですがトマは……機械人形の頭脳は…記憶はどうなされたのですか?教えて下さいませんか。お願いします。」

横目で少しカイトを見てから、さも当たり前のように

「ふんっ、昔の記憶があってこそ価値がある機械人形だ。そうは思わないか?」

一一一一記憶は残っている……

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