「あらら…黙ちゃったわね……緑の騎士」
セフィーロ国から来た2人の騎士の内の一人、見た目は女っぽい派手な服装に金髪の髪に前髪はピンク色に染め男性であるが化粧をしている美の騎士のオリヴィエが少し残念そうに言う。
「すぐ来て早々に噂の真偽が分かるとは思っていなかったけどな。」
同じセフィーロ国の騎士の炎の騎士オスカーが仕方がないと言った調子で言う。オスカーは男前の顔だちに炎の騎士らしい情熱的な赤い髪と青い瞳そして赤マントに赤の色合いの服装が良く似合っていた。
そして、緑の騎士と鋼の騎士の2人の行動をだた黙って見守っていたエリューシオン国から来た2人の騎士。1人は大人びた顔つきに長い金髪に切れ長の青い瞳に青いマント、首まである堅めの襟に白地の服には見事な金色の刺繍がほどこされている。そんな気品ある服装がふさわしくもある光の騎士ジュリアス。
「……鋼の騎士にも困ったものだ…。何をしに聖地(ここ)に来たのか分かっているのだろうか……?」
光の騎士ジュリアスが少々呆れ気味に言う。一緒に同行しているもう一人の闇の騎士。光の騎士とは同年令のようだが服装と印象も対象的で長い黒髪に紫の瞳そして白いマントに黒めの服装が水晶の額あてと水晶の飾りによくはえていている。
「……あのうわさは誰もが知りたい事だし、これだけ待たされれば興味が緑の騎士の方へ行くのは仕方のない事だろう。」
「クラヴィス…我々はうわさの真偽を確かめに来たのではない。聖騎士になる為に聖地(ここ)に来ている事を忘れるな」
「……」
光の騎士ジュリアスの厳しい口調に闇の騎士クラヴィスは気にする事もなく緑の騎士と鋼の騎士の次の行動を見守っていた。
-----とその時、ギイ〜と扉が開く音と共に誰かが部屋に入って来た。その場にいる騎士達全員がその扉から入ってくる人物の方に眼を向け、入ってきた人物はその全員の視線にどうして良いか分からず閉じた扉を背にしたままその場に立ちすくんでしまった。
その頃、別の部屋では聖騎士が今回の聖騎士継承試験をする騎士達が全員揃った事を聞いていた。
「……いよいよだな」
これから始まる聖騎士継承試験。そして……出来るなら…過去の出来事の結末をこの眼で最後まで見届けたい……そう新しい聖騎士が決まるまでに-----。
「……聖騎士さま?」
いつもと違う聖騎士の様子に不安を感じ声をかけるエルンスト。その声に聖騎士はいつもの様子に戻り
「さて、行こうかエルンスト。騎士達が待つ広間に-----」
騎士達の広間では突然入ってきた人物…少し長めのウエーブのかかった金髪を後ろにくくり騎士のような服装をしている少し少女の面影が残る女性に注目していた。
「道に迷ったのかな?お嬢ちゃん」
----- …お…じょ…お嬢ちゃん??!!… -----
声をかけて来た炎の騎士オスカーの言葉に驚きつつも言い返す
「わ…私はお嬢ちゃんでもないし道に迷ってもいない!!ここに呼ばれた正式な騎士だ」
その言葉にその場にいた騎士達全員が驚く。確かに女性の騎士は少ないが今までにもいたし驚く事でもない。だが女性が騎士になったと言うだけで国中が知れ渡るぐらいに珍しい事でもあるのも事実だし、そしてなによりこの場にいない騎士はただ1人。先程話しをしていた行方不明の水の騎士だけだという事だ。
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