『おちゃめな2人?(シャドウハーツ2編)』

ウエールズにあるロジャー・ベーコンの家の中。瞬間移動の装置を作動させるのに必要な直発電のエネルギーを出す為にベルト・コンベヤーのような所をずっと走り続けたせいで息も切れ切れのウルが疲れながらもベーコンに言う。
「あのさ……はあ、はあ、はあ……」
「はい……はあ、はあ、何ですか?ウル?…ちょっと息が…」
ウルのおかげで瞬間移動に成功して戻ってきたロジャーも疲れきっている。
「……もしかして……はあ…死にかけてる?」
「いや〜、はあ、はあ…月って所は酸素がないのでね……はあ、酸素補給を……はあ…で何ですか?ウル?」
「いや……はあ、前回はともかく今回はさ……あんな飛行艇も造ったのに何で……そのエネルギーを…さ使わないの?…はあ…はあ」
「はあ、はあ〜〜〜〜!ウル、君は分かっていませんね。何ごとにも試練は必要なのですよ。…それに1,2,3ってリズムをね…早さに合わせれば……ね!簡単でしょ?」
「……それ…誰に言ってんの?」
「……さあ…言えって台本に書いてあるんで……」
「…それこそ……言っちゃいけないんじゃないの?」
……しばし沈黙する2人……。
「えっとウル…お茶でもしませんか?」
「おっ!いいね!!」
変わった形のテーブルの席に座ってお茶をする2人
「なあ、月ってどんな感じの所なわけ?」
「そうですね〜。綺麗なお花畑があって向こう側で私のおばあちゃんが手を振っているんですよ。思わず今回はそこに行きそうになりましたが……」
「…それって……月じゃないんじゃないの?と言うかあの世の一歩手前って感じがするんだけど…?」
「あっ!分かります?何と言うか月に着いた時点で意識が遠のいて行くんでね……」
「……そう…なんだ……」
「……今度行ってみます?ウル?」
「いや……いい」
キッパリと言い切るウル。残念そうにお茶をすすりながらロジャーが
「ふう…やっぱり今度は場所を変えましょうかね」
「じゃあさ今度は太陽にしない?」
「…ウル……太陽ってどんな場所か知ってますか?」
「えっと……黄金がいっぱいあってキラキラしていて熱い所だろ?酸素があるかは知らないけど……」
ウルは言いながら目の前のロジャーの右手になぜか金づちがしっかりと握りしめている事に気づく
「……それ……さっきまで持ってなかったよね?」
「ウル………バカで良かったですね。私は思わず「灼熱の業火にロジャー焼かれるの巻」を想像してしまいましたよ」
サッと金づちをしまうロジャー
「………殺気が……あったよね?」
「………気のせいですよウル」
「……そうかな……?」
「そうですよ。いやだな〜。私達の仲じゃないですか?」
「…仲って……いうほどの仲だと…俺は思ってないんだけど……」
「上海天国(エロ本)の内容を知っている者同士じゃないですか!ねえウル?」
「……それって……なんだか嫌な仲だよね?」
「そうですか?男同士だからこそ分かりあえる仲ですよ?」
「はははは……そう……かな…はははは…さて、もう帰ろうかなっ」
「えっええっっ!!!もう帰ちゃうんですか?まだもう少し実験に付き合ってほしかったのに……」
「うん!今帰る!すぐ帰るからっ!!!」
「………じゃあ今度来た時もがんばって走って下さいね!ウル」
「だから……走らなくっても……いや…もういい試練…だよね?」
「はい!試練ですよ。ウル!次回もがんばりましょう」
「……うんまあ、次回があれば……ね」
「まあ、ウルはともかく私は準主役だし…今度こそ皆さん、私を仲間にしたいでしょうから、きっと大丈夫でしょう」
「……皆さんって……それ誰に言ってんの?本当に仲間になるの?と言うか仲間になる気あるの?ねえ?」
「ありますよ!!失礼ですね!私が仲間になったら…………ら……」
「?どうしたの?で?仲間になったらなんなわけ?」
「いや……言っちゃだめだって……」
「?はあ?ダメって…誰がだよ??」
「……ここまでね…この話を書いた人が……ね。おもしろ半分に書いただけだから……って言っているんですよ」
「……それこそ言っちゃだめなんじゃないの?」
「まあ……ここまで来たらいいんじゃないんですか?」
「ここまでって……それって……どういう意味?」
「まあ早い話がここまで読んでくれてありがとうって事ですね。はい。これで終わりって事ですよ」
「……そうなの?」
「はい!そうなんです。ではまた次の続編でお会いしましょう!!」
「ええっ!!次あんの?これ?」
「ないです!!(キッパリ)」
「そう……良かった。じゃあ俺、帰るから……」

END
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『続/おちゃめな2人?(シャドウハーツ2編)』

そこはウエールズにあるロジャー・ベーコンの家の中。ウルは変わった形のテーブルの席に座り不思議そうに周りを見ながら向かい側に座っているロジャーに
「……あのさ……俺、なんでこんな所にいんのかな?……」
ロジャーはティーポットのお茶をカップに注ぎながら
「……言ってもいいんですけど……言ったらウル、きっと怒りますよ?」
「……ふうん、怒るような事なんだ。俺がここにいんのって……」
ウルのその言葉に怒りがこもった殺気のようなものが感じられ
「……もしかして……もう怒ってます?」
「………」
沈黙が怒りを語っていた事は言う間でもなくロジャーはため息をつきながら
「ふう…。仕方ないですね〜〜」

---------仕方がない事を俺は聞いているのかよっ!!??

ウルは心の中で叫びつつもロジャーの次の言葉を待つ。
「いやっ〜私のせいじゃないんですよ、これは本当。ただこれを書いている人がね……。ページが……ね、余っていて……それで続編という事になりまして……」
「はあ〜??なにそれ?書いている人って誰よ??それって理由になるわけ?ねえ?」
ウルの言葉に再びロジャーはため息をつきながら
「……そう言うと思ってましたが…それで納得して頂くしかないんですよね〜私としては。でもね、ウル今回はスペシャルゲストを……そう!!来て良かったと思える人を呼んでいるんですよ!!」
ロジャーのその言葉に喜ぶウル
「おおっ!!本当かよそれ!!!早く呼んでくれ!!」
ウルの返事にロジャーは満足げに
「では呼びましょう!!この状況にふさわしい!!そう!!男の中の男!!」
「ちょっと待て!!!」
ロジャーの次の言葉を言わさないように言葉を挟むウル。
「えっ〜!!今いい所を言っているのになんで邪魔をするんですか?!ウル!」
「……あんた…今、男の中の男って言ったよね?」
「?そうですよ?それが何か?」
「………呼ぶの止めてほしいんだけど……」
「えっ〜!!男の中の男ですよ??会ってみたくないですか?」
「…………………じゃあさ聞くけどどんな感じの人なわけ?」
「聞きたいですか?」
「聞きたくないけど会いたくないから聞いておく……」
「……分かりました。教えましょう。彼はすっごいいっっっ強いプロレスラーなんです」
「……あっ!!もういい!!それだけ聞けば充分!!!」
「……即答ですね、ウル」
「うん。聞かなくても分かるから。頭にターバン巻いて黒くて濃いいヒゲがあって見た目も怪しく黄色いチョッキに腰にピンクの布をまいた黒のパンツをはいている中年太り風の男じゃないのか?」
「おおっ!!詳しいですね!!まさか……ウル!彼のファンでは?」
ゴツン…ガツン、バキバキと殴っているのかも分からない音がしばらく続く。

「…冗談の分からない人ですねウルは……」
「いや!それは冗談では済まされない事だから!!」
ロジャーはため息をつきながら
「分かりました……。ウルは誰に会いたいのですか?」
「えっ!!俺が言ってもいいの?」
「言うだけならタダですから……」
しばらく沈黙が続く
「……それって言っても無駄って事……かな?」
「いえいえ、それは言ってみないと分からないので」
「…じゃあダメ元で……ア……」
「ストッ〜〜プ!!」
「は??俺まだ何も言ってないんだけど……」
「…ウル…残念ですが……どうやら時間が来てしまったようです」
「はっ???」
「さあ、ウルも一緒にごあいさつをお願いします」
「???えっと……何を言っているんだか分からないんですけど……」
「……ウル…残念ですがもう終わりと言う事なんですよ。この時点で下を見れば…ほら、もう終わりに近付いているのかが……よく分かるでしょう?」
「……………そう言われても……俺のせいじゃないし……」

「大丈夫ですよウル!!次回!!次回にこそ期待しましょう!!」
「と言うかこの題名の話にはもう2度と出たくないんですけど…」
「…………私がいるのにですか?」
「うん!!全然オッケー!!ある意味もう会わなくてもいいって感じだね」
「………」
「……ロジャー??」
「男の中の男!!グラン・ガマさん!!出て来て下さいっ!!!」
「えっ!!??嘘だろ??」
どこからか楽し気ともいえる音楽が流れ出し……スポットライトを浴びて!!グラン・ガマ登場!!!

………そして楽しい男達のストーリーが再び始まった事は言う間でもない……のかもしれない(汗)。

END